反射して光る

ケンティーの脱退は衝撃だった。アイドルが天職だと信じて疑わなかったのはファンだけではなくて、他の誰でもない中島健人自身だと思っていたから。自分の人生だから、自分が選んで決めて進む権利はあるのだけれど、グループとして活動している以上、他のメンバーの人生も背負ってるという責任は、やっぱり忘れて欲しくないと思う。自分は30歳で節目だと思っているかもしれないけど、20代のメンバーがいること、自分を含めたグループを応援しているファンが少なからずいること、それらを客観的に見て総合的に判断して、本当に今この決断をするのが正解なのかを考え……たんだよな。その上でこの選択を正解にするために、その覚悟を持って決断したんだよな。

ただケンティーが脱退することは、その事実以上の意味を持つ出来事だと思ってしまう。ケンティーがグループとしてアイドルを続けられないという選択をしたことは、他のアイドルたちもギリギリのところにあるんじゃないかと諦観してしまいそうになる。今日が最後かもと、もう会えないかもと、覚悟するような祈るような気持ちで推しを見るのは、つらい。

ファンは無力だ。なんて思いたくないが、どんなにお金を使って声を届けても、預かり知らぬところで何かが起こっていつからか考えていていつの間にか決めて、事後報告されてばかりいる。その時に何を言っても変えられないってことを痛感することしかできない。応援をしてもしてもしても、推しが決めたことはこの声ではいつだって覆せないから無力だ。

願うことしかできない。いつまでもグループにいてくれますように、アイドルを続けてくれますように、幸せでいてくれますようにと。